2026.08.09 2026:08:09:14:01:54
筆者は『ちいかわ』の原作を読んでおらず、映画を2回鑑賞して感じたことをもとにしています。1回目の鑑賞後には、『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の島から、タヒチをはじめとする南太平洋を連想したことを書きました。
前回の記事はこちら 【ゆるめ分析】『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』と南太平洋
その後も気になるところがあり、もう一度映画館へ。ちょうど第2弾入場者特典のシール配布初日。一人で行くので、今回はプレミアムシートで鑑賞。映画館に足を運ぶ楽しさは、やはり大きなスクリーンで見るビジュアルとサウンド。上映中はスマートフォンから離れ、作品だけに集中できます。結局、大人の私も「ちいかわ」をめぐる消費行動にしっかり参加していました。



↑タヒチの水上リゾート。パペーテの空港からボートでアクセス
2回目は背景にも注意して見ましたが、やはり私にはポリネシアの島々を思わせる風景に見えました。ちいかわたちが普段暮らしている場所は、日本を思わせるような原っぱです。島へ行くと、風景は明確に描き分けられています。
極楽鳥花や島民の腰蓑、切り立った岩、火山を思わせるような山の姿などはハワイやタヒチを含めたポリネシア文化を連想させるものです。アニメでは作者の世界観が強く反映されるため、実在の土地が舞台になっている作品以外の特定は難しいのですが、それがまた作者の意図を深堀りしたいというファンの楽しみのひとつでもあります。今回は、ひとつの実在する場所を探すより、「南の島」が構成された風景そのものを考察したくなってきました。
ちいかわたちが島へ上陸したときは賑やかで、祝祭感たっぷり。バンガローに滞在というとキャンプのような夏休み感があります。シーサーとくりまんじゅうはビーチでまったり過ごしてリゾートを楽しんでましたよね。(※2026年8月11日追記:ナガノ先生がインタビューでこのシーンに触れられていました。こちら) 一方、島で出てくる食べ物を見ると、焼きそばやケバブ、カレーなどが登場し、ポリネシアのフードツーリズムではなく、まさに縁日というか夏祭り。南の島の風景に、キャンプや縁日、お祭りというハレの場面が重なっています。
内容を知っている2回目は、1回目より安心して見ることができました。そこで気になったのが、背景の色彩やキャラクターの細かな表情。ストーリーもですがやはり色彩設計が見事です。そして、最初の無邪気な明るさや上陸時の祝祭感が、後半のダークさとの対比になっていることもよくわかりました。
だからといって、すべてを理解して答えを出す必要もなく、わからなかったことは、わからなかったことでいい。良くも悪くも、見終わったあとに残る心理的な余韻まで楽しむ作品です。
もうひとつ気になったのが、映画公開に合わせて展開されている、さまざまなコラボレーションです。旅に近いところでは、商船三井さんふらわあの「ちいかわとのんびり船旅」、横浜市とのコラボ、東京メトロの脱出ゲームなど。飲食や小売、映画館の会員施策などにも広がっています。主なものを拾ってみました。
ちいかわ×さんふらわあ「ちいかわとのんびり船旅」/商船三井さんふらわあ
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』in横浜市コラボ(終了)/横浜市ほか
『映画ちいかわ』東京メトロ脱出ゲーム/東京地下鉄株式会社ほか
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』Collaboration CAFE/ちいかわカフェ・渋谷PARCOほか
ちいかわベーカリー 映画公開記念パン/ちいかわベーカリー
セブン‐イレブン『映画ちいかわ』コラボフェア/セブン‐イレブン・ジャパン
ココイチ×映画ちいかわ「カレー大作戦」/株式会社壱番屋
サントリー×『映画ちいかわ』限定デザインボトルほか/サントリービバレッジ&フード
TOHO-ONE『映画ちいかわ』公開記念キャンペーン/TOHO・TOHOシネマズ
ちいかわ☆星ふるスカイツリー(R)とひみつの島/東京スカイツリータウン
キャラクターと交通機関や食品、商業施設などとのタイアップ自体はよくある話。それでも、これだけ異なる業種に展開しているところに、キャラクターIPとしての「ちいかわ」の強さを感じます。個人的にはハワイやフレンチポリネシアなどの政府観光局等のコラボがあれば多少はアウトバンド(海外旅行)へ動機になるかも、なんて考えてしまいました。推し活のマーケットも広がっていますしね。
立秋も過ぎ、暑さは厳しいものの、夜には虫の声が聞こえるようになりました。映画を見に行った大井町トラックスのTOHOシネマズの入り口にある植栽からも、虫の声が聞こえてきました。これから愛知県はもちろん、南の島へ行く予定がある方は、作品の風景を少し意識しながら鑑賞してみることをおすすめします。この夏の思い出に残る一本です。